人工透析と人工関節の基礎知識について

人工透析を受けている方は障害等級2級、人工関節の置換手術を受けている方は障害等級3級に該当する可能性が高いです。この記事では札幌で障害年金の請求を検討中の方に向けて、人工透析と人工関節の基礎知識を解説していきます。

人工透析を行っていたり人工関節の置換手術を受けている方は、障害年金を請求することができます。人工透析を行っている場合は障害等級2級に、人工関節の置換手術を受けている場合は障害等級3級に該当する可能性が高いのですが、ここでは札幌で障害年金の請求を検討している方に向けて人工透析と人工関節の基礎知識を解説していきます。

人工透析とは

札幌 障害年金 人工透析 人工関節

人工透析とは、何らかの原因で腎臓の働きが低下した場合に行われる治療です。血液をろ過して体内の老廃物や毒素を尿として排出する役割を担っている腎臓の代わりに、体内に蓄積した老廃物や毒素を取り除くために行われます。

腎臓の機能が低下すると、体内に不要な老廃物や水分を体外に排出できなくなり、尿毒症と呼ばれる状態に陥ります。尿毒症の代表的な症状としては、倦怠感・食欲不振・吐き気・頭痛・不眠・思考力の低下などが挙げられますが、これらの症状が現れると日常生活に支障が及ぶケースも少なくありません。また、重症になるとせん妄や全身けいれんなどの神経・精神症状が起こったり、興奮時に呼吸困難に陥ったりしたりすることもあります。そのため、腎臓の機能が著しく低下した場合は、血液をろ過して体内に蓄積した老廃物や毒素を取り除く人工透析を受ける必要があります。なお、何らかの原因で腎臓の機能が低下した状態を腎不全と言うのですが、この腎不全が重症化して機能回復が見込めない状態になると慢性腎不全となり、人工透析が必要になります。

また、透析治療には大きく血液透析と腹膜透析の2種類に分けられるのですが、日本ではダイアライザーと呼ばれる透析器を利用した血液透析が行われるのが一般的です。血液透析を行う際の頻度は、週に3回、1回4時間が標準で、治療を受けるには病院や専用施設に通う必要があるため、本人や家族には大きな負担がかかります。

人工透析の種類について

札幌 障害年金 人工透析 人工関節

人工透析の種類について

人工透析の治療法は、大きく血液透析と腹膜透析の2種類に分けられます。

血液透析とは、血管に刺した針から取り出した血液を、ダイアライザーと呼ばれる透析器に通すことで血液を浄化し、再び体内に戻すという治療法です。日本における標準的な透析治療法となっており、透析治療を受けている95%以上の方がこの治療法を選択しています。血液透析は週に3回、1回4時間行うのが一般的で、治療を受けている時間以外は自由に行動することが可能です。決められた時間と場所で治療を受ける必要があるものの、治療が受けられる病院や施設があれば旅行や出張などをすることもできます。なお、血液透析を行う場合、通常は利き手とは逆の手首付近にある動脈と静脈をつなぎ合わせることで、血液を取り出しやすくする内シャントを造設する必要があります。

一方の腹膜透析は、自身の腹膜を透析膜として利用する治療法です。腹部に挿入したカテーテルと呼ばれる管を通して透析液を注入すると、腹膜の微細血管を通して血液中の老廃物や不要な水分が透析液へと移行するので、注入から一定時間経過した後に透析液を体外に排出することで血液の浄化を行うことができます。腹膜透析は主に自宅などで行われる治療法で、血液透析と比べると心臓などにかかる負担が小さく、通院が月に1~2回程度で済むというメリットがありますが、カテーテルの出口部分を清潔に保たないと感染症のリスクが高まるので、高い自己管理能力が求められます。

人工透析の治療で必要な費用

札幌 障害年金 人工透析 人工関節

透析治療は継続的に行っていく必要があるため、その治療費が気になる方も多いかと思いますが、血液透析にかかる費用は1回あたり約3万円ほどと言われています。血液透析は週に3回受けるのが一般的なので、1か月に換算すると約40万円、年間では約480万円かかることになります。腹膜透析は月に1~2回程度の通院で済むものの、透析液バックやカテーテルなどに費用がかかるため、1か月あたり30~50万円ほどの医療費が発生するのが一般的です。

このように、どちらの治療法を選択したとしても高額な医療費が発生しますが、上記の費用は透析治療にかかる費用のみです。透析治療を行っている方は、様々な合併症を併発しやすいので定期的な検査が必要ですし、腎臓の機能低下につながった病気の治療も平行して行われるケースも少なくありません。そのため、トータルの医療費は年間で500~600万円ほどになるケースもあり、健康保険を利用したとしても高額な医療費を負担する必要があります。

しかし、国や自治体による助成制度を利用すれば自己負担額を大幅に軽減することが可能です。透析治療を受けている方が利用できる代表的な制度としては、特定疾病療養受療制度・重度心身障害者医療費助成制度・障害者自立支援医療制度などが挙げられます。これらの制度を活用すれば自己負担額が0円になるケースもあるので、積極的に利用しましょう。

人工関節とは

札幌 障害年金 人工透析 人工関節

人工関節とは、文字通り金属やセラミック、ポリエチレンなどで作られた人工的な関節のことです。変形性関節症・関節リウマチ・骨壊死症などの疾患により関節本来の機能が低下すると、関節を動かした際に痛みが生じたり、関節の可動域が制限されたりすることで、日常生活に支障が出る場合があります。関節の機能低下によって日常生活に支障が出ている方の中で、体重のコントロール・筋肉強化・内服薬の服用・装具の使用といった対処を行っても症状が改善しない場合は、人工関節置換手術を検討することになります。人工関節置換手術では、変形性関節症などの疾患で悪化した部分を取り除いて人工関節へと置き換えるため、他の治療法よりも痛みが軽減される可能性が高いです。また、制限されていた関節の可動域が広がるとともに、他の関節への負担軽減も期待できます。

なお、人工関節置換手術はこれまで65歳以上の方が主な対象でした。これは、人工関節の寿命が10年~15年ほどで、若いうちに手術を受けると入れ替え手術を行う必要があるためです。人工関節の入れ替え手術は、最初の手術よりも難易度が高いため、人工関節置換手術は入れ替え手術の可能性が低くなる65歳以上になるのを待ってから受けるのが一般的でした。しかし、現在では人工関節の耐久性が向上し、その寿命は20~30年ほどと考えられているため、比較的若い世代の方でも人工関節置換手術を受ける方が増えています。

障害年金認定の基準について

札幌 障害年金 人工透析 人工関節

人工透析を受けている方や人工関節置換手術を行った方は、障害年金を受給できる可能性が高いです。障害年金とは、国が運営している社会保障制度のひとつで、病気や事故によって日常生活や仕事などに支障が出た方を対象に支給されます。原則として20~64歳の方が対象で、医師の診断を初めて受けた初診日が65歳以前であれば受給できる可能性があります。

障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2種類あり、初診日に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金を、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金を請求することが可能です。また、障害基礎年金には1級・2級が、障害厚生年金には1級・2級・3級があり、その認定は障害認定日もしくは請求日における障害の状態によって判断されますが、人工透析を受けている方は原則2級、人工関節置換手術を行った方は少なくとも3級に該当する可能性が高いです。

なお、障害年金は原則として初診日から1年6か月以上経過していないと請求することができませんが、初診日から1年6か月を経過していない場合でも、症状が固定していると医師が認めれば障害年金を請求することが可能です。そのため、人工透析を受けている方の場合、初めて人工透析を行った日から3か月経過した日が、初診日から1年6か月以前になるケースでは、人工透析を開始した日を障害認定日として請求できます。また、人工関節置換手術では、初診日の1年6か月以内に手術を行った場合は、手術日を障害認定日として請求することが可能です。

人工透析を受けていたり人工関節置換手術を受けた方は障害年金を請求できますが、障害年金の請求手続きが遅れると過去分を受給できなくなる恐れがあります。そのため、可能な限り早めに請求手続きを済ませることが大切ですが、手続きに関して不安や疑問があるのであれば専門家に相談することをおすすめします。